チューターゼミ

チューター制度について

チューター制度は、法曹専攻で学ぶ夜間社会人学生、とりわけ法学未修者の学修上の制約条件を克服するためのきめ細かい支援活動を行うこと、並びに学生が法実務家と身近に触れ合う機会をより多く提供することを通じ、法実務感覚の涵養並びに法実務家を志す者としての目標の再確認及び意識啓発を促すことを目的としています。
本法科大学院においては、開学当初から、チューターとして若手・中堅弁護士を配置し、学習支援体制を整備しています。チューターゼミは、当該ゼミ対象年次の正規科目授業が行われない時間帯、すなわち、平日や土曜日の授業時間外や、休日や長期の夏期・春期休業期間に実施されています。
各チューターゼミの実施計画を公表する際には、実施回数・日時、対象科目、ゼミ内容に応じたレベル(たとえば「民法α」と「民法β」など)、教材の指定などが示され、参加しやすくなっています。

チューターゼミの意義は以下のところにあると思います。

(1)少人数のゼミ形式、チューターとの質疑応答を通じ、正課の授業の理解を促進します。さまざまな背景をもつ法学未修者に対し、各自の修得度や苦手分野を把握したうえでの個別的な学修の手ほどきをします。特に当専攻は法学未修者が多く、専任教員も質疑応答に努めているところですが、それでも未修者にとっては理解が及ばない場合があり、これにはチューターによるゼミなどが効果的に対応しています。
(2)実務家の視点から、実務上重要な論点や事例を紹介し、これについての法理論上の問題点を実務的観点から分析・検討することで理論と実務の架橋をはかっています。


受講した学生へのアンケート結果によれば、①講義の補完として,少人数でかつアウトプット中心のゼミにより,授業や自学で得た知識の応用を図り,実践力を高めることができた、②起案の表現力が身についた,事案分析,構成力が身についた等の意見が寄せられています。

 

チューターの先生方からのメッセージ

チューターの先生方に、自己紹介、ゼミで心がけていること、参加者への希望などにつきお伺いしました。

殷勇基

これまで、憲法、国際公法、国際私法を担当してきました。
講義と並行して行いますが、まったくの初学者から出発して、法曹として、実務のために必要な最低限の知識が「反射神経」で出てくるようにする練習をしたいと思います。このゼミでは、ソクラテス・メソッドであまりやらない方がよいと思っています。基本知識を確認するためにはある程度「講義」方式で行った方が効率がよいと考えているからです(もちろん適宜、質疑応答は行います)。
予習は不要です。マメな復習、クロスリファランスの励行は必要です。

小林正和

本学1期生で、これまで、1年生の民法を担当してきました。私も在学中、チュータゼミを十分に活用させて頂き、無事1回で合格できました。できる限り分かりやすく、楽しく、かつ、実践的なゼミを心がけています。
予習は必要ありませんが、その場で一緒に基本書を読み、関連する事例問題を考えて頂き、 私に疑問をどんどんぶつけて頂きたいと思います。一緒に深く学びましょう。

笹川豪介

私は本学出身で、他学部出身で純粋未修でした。私と同じような立場の方々の役に立てればと思っています。
法律は実務で活かしてこそ最終的にその効果を発揮するもので、司法試験においてもその考え方を根底に持っていると考えています。
参加者の方にはできる限り本科の復習をして頂きたい。チューターゼミでは、本科授業で学んだ理論をケーススタディ等を通じて実務に当てはめることで、理解の促進と効率的な定着を図りたいと考えています。そこで感じた疑問や不明点を積極的にぶつけていただきたいと思います。

利用者からのメッセージ