令和元年9月司法試験合格 S・Aさん 

2007年3月 京都大学総合人間学部卒業
2016年4月 筑波大学法科大学院未修コース入学
2019年3月 筑波大学法科大学院未修コース修了
2019年9月 司法試験合格

1.はじめに
 私は、金融機関の法務コンプライアンス部門で10年間勤務するなかで、折から急増する企業内弁護士の先生の専門性の高さを目の当たりにし、今後法務コンプライアンス部門でより責任ある業務にチャレンジするには専門性を高める必要があると痛感したため、弁護士資格取得を決意いたしました。

2.入学前
 非法学部出身であり、業務上資格取得が必要であったビジネス法務検定2級程度の一般的な知識と業法を中心とした断片的な実務知識しかなく、体系的かつ学問的な法学教育は受けたことがありませんでした。

3.入学後
(1). 私は筑波大学法科大学院以外の法科大学院についてよく存じ上げているわけではございませんが、本学の特色と魅力は①少人数教育であること、②時間がない社会人を対象とした実践的かつ効率的な教育、③充実した学習環境とサポート体制にあると思います。
(2).①について
 既に合格された先輩がご指摘されている点となりますが、1学年1クラスの少人数であることから、先生方と学生の距離が非常に近く、各人の学習進度や業務状況等を把握したうえで、きめ細やかなご指導を頂くことができます。
 疑問点を質問するとどの先生も大変丁寧に指導して下さり、本当に頭が下がるほどに教育への情熱あふれる先生方がたくさんいらっしゃいます。
私のような純粋未修の初学者にとっては、抽象的で難易度の高い法律論を理解する困難さに加え、いかにそれを使いこなし、法的三段論法にのっとって法律文書を作成できるかという困難さがありますが、本学の先生方は純粋未修の学生を多く指導された経験からこうした困難さやつまづきを熟知されていらっしゃる方が非常に多いと感じます。そして、学生が自主的に起案した内容について指導をお願いすると授業外でもとことん付き合って熱心にアドバイスを下さるので、一つ一つ無理なくステップアップしていけた実感がございます。
(3).②について
 時間の限られた社会人を対象にしていることから、先生方はその限られた時間で最大の効果を引き出すために様々な創意工夫をこらしてくださっています。例えば、社会人はいわゆるまとめノートを作る時間の捻出にも苦労しますが、そうした事情を熟知した実務家教員の先生が中心となって、直前期まで使えるコンパクトかつ網羅性の高い資料をたくさん頂きました。こうした資料は、直前期まで大変重宝し、本試験当日もお守りを兼ねて、できる限り本試験会場に持っていきました。
(4).③について
 まず、本学には充実した図書館、24時間利用可能な法曹専攻学生を対象とした自習室があります。こうした施設を席とりなどの煩わしさもなく、スムーズに利用できる非常に恵まれた学習環境が提供されています。
 また、チューターゼミは入学前から受講可能となっており、純粋未修者向けにスムーズな導入をサポートして頂けるほか、3年次には主要科目だけでなく選択科目に至るまで充実したチューターゼミのラインナップとなっています。チューターゼミは現行司法試験合格者の方が指導されていることが多く、出題傾向を熟知したうえで各科目特性に配慮したご指導を頂くことができましたので、積極的に利用させて頂きました。
 私は厚かましくも2年生の頃に3年生対象のチューターゼミに参加させていただいておりましたが、こうしたチャレンジに対し、チューターの先生や先輩が温かく迎えてくれたので、受験期を控えた3年生の先輩を間近で見ながら2年生の頃に学習することができました。学習の方向性を早い段階で確立し、3年生の一年間をどう過ごすかのイメージを具体化できたことは、非常に大きな糧となりました。

4.最後に
 仕事と両立しながらの学習は決して容易なものではありません。私も1年次が終わるころに退職し、専業受験生となりました。
 しかし、本学の充実したサポート、また社会人経験を通じて培ったメンタルの強さや集中力の高さ、目標達成意識の高さはそうした時間面での不利さを埋めてくれました。 
 そして、こうした苦しい道を経て合格した先輩の皆様が後輩を思う気持ちは非常に強いものがあり、私もチューターゼミを通じてのご指導に加え、2期上の合格者の先輩による自主ゼミで指導をして頂いたり、「縦」のサポートにも大変恵まれました。
 学習の質・量ともに劣る私がなんとか初回受験で合格することができたのは、ひとえに本学の先生方、チューターの皆様、先輩の皆様、そして優秀な同期の皆様のおかげであったと思います。私が持っている力以上のものを引き出し、可能性を広げてくれた本学に心より感謝申し上げます。