1 本学は、法学未修者の割合が多く、また、社会人受験生として昼間の法科大学院と比較して学習時間も極めて限られています。受験予備校に通う時間もありません。しかし、3年後には司法試験という同じ土俵で勝負しなければなりません。
そこで、限られた時間の中で、いかに学習時間を確保するか、いかに正しい方向性で法律を学ぶかが重要になります。私は、本学在学中の1年次から積極的にチューターゼミを活用することで、正規の授業の前後の時間や夏期・春期休業中における学習時間を確保し、また、法律実務家になるという視点をもって法律を学ぶことができ、本学修了後1回目の司法試験に幸いにも合格することができました。
2 本学チューターゼミの特徴
(1)学生のニーズに合わせたゼミ
実施科目は、基本科目(公法系、民事系、刑事系)はもちろんのこと、手薄になりがちな選択科目まで対応しています。実施方法も、本学の学生の学習時間が限られていることにも配慮して、事前の予習はあまり必要なくゼミの当日に考えることが求められるような課題にするなどの工夫がなされています。
また、夏期や春期の長期休みの期間、社会人の場合は仕事の方に意識がいってしまい法律からは離れがちになるので、チューターゼミが学習のペースメーカーになり、モチベーションの維持にもつながります。社会人受験生として時間のやりくりは大変ですが、実施時間も平日の夜や土曜の授業の前後など学生の都合に合わせた時間で行われ、限られた時間を効率的に使うことができます。
(2)実務家による指導
司法試験では、具体的な事案について、単に事案を分析するだけでなく、一定の結論を出すことが求められます。チューターの先生からは常に実務を念頭においた指導がなされます。ゼミで実務感覚を養うことができ、さらに実務を知ることで勉強のモチベーションも向上します。
また、授業では質問しづらいことでも、チューターゼミでは少人数のため気軽に質問することができます。特に法学未修者の場合、1年次には基本的な事項で疑問が生じることも多々ありますが、チューターの先生には率直に疑問点をぶつけ、納得いくまで議論することができますので、疑問点を残さずに解消することができます。
3 私のチューターゼミの利用方法
(1)1年次は、正規の授業が基本書中心だったため、演習書を使用したゼミに参加しました。特に、範囲が広い民法や学説が複雑な刑法は、授業と平行してチューターゼミで同じ範囲の演習を行うことで、授業に対する理解も深まりました。演習書を使用する場合、学生だけのゼミや独学では正確に理解できるかどうか不安がありましたが、チューターの先生に付いてもらい、学生の議論が間違った方向に行きかけたときには適宜軌道修正してもらうことで、安心して学習することができました。
(2)2年次、3年次は起案中心のゼミに参加しました。実務家登用試験である司法試験では、書面によって自らの考えを説得的に示すことが求められます。法律文章の上達には、とにかく書いてみて、客観的な意見をもらい、修正するという過程を繰り返すしかありません。チューターの先生から愛のある「ダメ出し」をしてもらうことで、自分では気付くのが難しいような文章の癖を直し、読み手を意識した文章の書き方を意識することができました。
また、3年次には選択科目のゼミを重点的に行いました。昼間の法科大学院の学生でも選択科目は後回しになりがちですが、チューターゼミで手厚く指導していただいた結果、選択科目(環境法)を強みにすることができ、司法試験でも高得点を獲ることができました。
4 本学に入学される皆さんは、仕事をしながら司法試験に挑戦するという厳しい道を選択された訳ですが、チューターの先生も同じように司法試験を経て法曹になっていますので、その苦労もよくご存知です。チューターの先生は皆熱意を持って懇切丁寧に指導してくださいますので、これを利用しない手はありません。是非、皆さんの目標を達成するためにチューターゼミを積極的に活用してください。
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