田中 朝美さん

  • 大学院法学研究科(修士課程)修了後、民間企業勤務等を経て、
  • 筑波大学法科大学院へ入学(2期生)。
  • 現在、法律事務所にて、弁護士・司法書士として勤務

 私は、法務部で契約法務の仕事をしていたときに、自分の法律知識の不十分さを痛感し、もう一度基本からきちんと法律の勉強をしたいと考えるようになりました。当時の上司等、周囲が応援してくれたこともあり、働きながら通学でき、かつ、最終的に法曹を目指すこともできる本大学院へと入学することにしました。
 実際に入学してみると、授業時間に間に合うように仕事を切り上げ、授業に出て、当日の復習と翌日の予習をして、という生活を続けるだけでも、予想以上の体力と精神力が必要でした。また、授業の理解という点についても、私は法学部出身者ではありますが、司法試験の勉強をした経験がなかったこともあって、かなり苦労しました。本大学院在学中、私は、司法書士事務所へ転職するなどして、より勉強のしやすい環境となりましたが、それでも、新司法試験合格までの大変さは、今まで味わったことがないものでした。
 しかし、学生からの質問や相談に対して親身に応じてくれる教員の先生方やチューターの方が、非常に熱心に、近い距離で、励まし、指導してくださいました。また、社会人を対象とした夜間の法科大学院である本大学院には、様々な社会経験を持つ優秀な同級生が多くいて、自分と同じような苦労や悩みに直面しながらも、自分以上に頑張っている姿を見ることができました。このような環境で勉強を続け、知り合うことができた方々とのご縁と経験は、新司法試験合格に負けないほどの、私の財産となっています。
 弁護士としての仕事も、大変なことが山ほどありますが、それでもやって良かったと心から思える瞬間が多くあります。また、今でも、良い関係を続けさせていただくことができている、本大学院でお世話になった先生方や同級生が多くいます。
私が本大学院で得た財産は、とても大きなものでした。本大学院で、今まさに頑張っている方々、そして、これから頑張っていこうと考えている方々が、多くの財産を得られますよう、心よりお祈り申し上げます。