令和5年11⽉司法試験合格 K.T.さん

2022年4⽉ 筑波⼤学法科⼤学院既修コース⼊学
2023年11⽉ 司法試験合格(在学中合格)
2024年3⽉ 筑波⼤学法科⼤学院既修コース修了

1.本学入学の経緯

 私は、理工学部を卒業後、プラントエンジニアリングを経て、現在は弁理士として知的財産に関する業務に携わっています。弁理士として10年近く実務を経験する中で、さらなる業務範囲の拡大を目的として、司法試験を考えるようになりました。司法試験合格を目指すに当たって、時間や費用の面から、当初は予備試験ルートのみを予定していました。しかし、本学の説明会等において、在学中受験制度のこと及び厚生労働省による専門実践教育訓練給付金制度のことを知り、本学既修者コースで在学中受験資格を取得した上で、次年度の司法試験合格を目指すことにしました。

2.学校生活

 在学中受験資格を得るためには、通常予定されているカリキュラムに加えて、既修2年次に予定されている演習科目の単位を取得する必要がありました。そのため、1年次の4月から12月頃までは、ほぼ毎日授業を受けるスケジュールでした。入学当初は、対面で授業を受けていましたが、働きながらの学修は想像以上に大変で、授業の内容をしっかり消化するためには、予習復習の時間と体力を確保することが必要だと感じた後は、ほぼオンラインでの受講に切り替え、それ以外のゼミ等には参加しませんでした。参加する余裕がなかったというのが正直なところです。そして、授業は予習に重心を置いた勉強スタイルとし、授業の中で自分の知識や理解を確認・修正するといった方法で、何とか消化していったという状況でした。今思えば、夜間の社会人大学院とはいえ、オンライン受講のシステムがなければ、本学の在学中受験の資格を得ることは、事実上困難だったと思います。

また、在学中受験自体も、想像以上に大変で、「在学中」なので、新年度の4月以降は通常の授業が始まるため、ある程度履修科目を調整できたものの、司法試験期間中でも、試験科目以外の授業の予習や課題をこなす必要がありました。1年次の12月末頃に、7月の司法試験までの学修計画を立てて実践しましたが、結果的に、当初計画の7割程度をこなしたところで、本番を迎えたという状況でした。気持ち的には準備不足感もありましたが、「頑張れば何とかなる」という先生の言葉を励みに、現時点での実力を発揮しようという思いで、挑みました。

3.本学の入学を検討されている方へ

 今回、幸運にも合格することができました。振り返ってみても、司法試験のために予備校の答練を受講したり、本学での学修以外に特別なことをしたわけではなく、本学での授業や課題を消化することだけで手一杯だったと思います。このことは、社会人でも在学中受験により合格することができることを証明できたという意味だけでなく、本学がその環境にあることをも証明することができたのではないかと思います。社会人は、専業の受験生と比べて、時間と体力を自由にコントロールすることは難しい環境にありますが、もし、時間と体力を十分に整えることができるのであれば、本学での学修は司法試験合格に向けてとても有意義なものになると思います。今回の私の経験が、これから法曹を目指す方にとって、本学既修者コース+在学中受験ルートを検討するための一助になれば幸いです。