2013年3⽉ 都内私立法科⼤学院修了
2020年4⽉ 筑波⼤学法科⼤学院未修コース⼊学
2023年3⽉ 筑波⼤学法科⼤学院未修コース修了
2023年11⽉ 司法試験合格
1.入学までの経緯
私は筑波大学法科大学院(以下、筑波といいます。)に入学する以前に、一度他の法科大学院を修了し、司法試験を受験していました。しかし、合格することはできず、民間企業の法務担当として働いています。法務担当者として非常にやりがいをもって仕事に取り組んできましたが、一方で、司法試験に対してやり残した思いがありました。
そんな中で、企業法務実務担当者の情報交換の場において筑波のOB(司法試験合格者)と知り合い、「筑波は社会人大学院として、働きながら司法試験合格を目指す環境が整っている。」と教わりました。
そこで、仕事と学習を両立して司法試験合格を目指すことができる、筑波への進学を決意しました。
2.学校生活
今改めて振り返ってみると、司法試験に合格するという観点で、筑波での学生生活において特に大事であったことは、①先生の助言を素直に実践することと②自主ゼミを行うことだと思います。
(1) ①先生の助言を素直に実践すること
筑波の先生方は、社会人大学院にて何人もの修了生を送り出し、司法試験合格に導いています。こうした経験に裏打ちされた、社会人が限られた時間で効果的に学習するためのノウハウを持っていらっしゃいます。
私たち学生の多くは、仕事をしながら大学院で学習して司法試験合格を目指すことは初めてだと思います。何も知らない私たちが自己流で進んでも、司法試験の合格という目的地へたどり着くことは困難です。仮にたどり着くことができても、遠回りをしてしまうかもしれません。目的地へ正しく進めるように、まずはノウハウを持った先生方の助言を素直に実践してみてください。実践してみて、自分に合わないことがあったらその都度先生に相談し、自分に合った効果的な学習をしてもらえればと思います。
筑波の先生方はとても親身になって相談に乗ってくださいます。こんなことを相談しても良いのかななどと思わず、遠慮せずにどんどん相談してみてください。
(2) ②自主ゼミを行うこと
司法試験は、短答式試験と論文式試験により行われます。そのうち、論文式試験の対策としては、自主ゼミを行うことが非常に有用であったと思います。
論文式試験は大きく、㋐問われていることを問題文から読み取る力、㋑その問われていることを一定の根拠に基づいて説明することができるだけの法的知識、㋒自らの考えを読み手に伝わる形で試験時間内に書き切る力が必要となります。自ら起案し、これを第三者に読んでもらう自主ゼミは、上記3つの能力を養うための訓練としてもってこいです。
そして、上記の3つの能力のうち、いずれの力を伸ばすことを目的として行うのかを明確にすることが、効率的に自主ゼミを行うことが大切です。例えば、㋑の能力を伸ばすということであれば、起案作成時間は限定する必要はなく、また、起案を後で見直すためにWord等PCで作成すると良いと思います。また、㋒の能力を伸ばすのであれば、本番と同じ方法(手書きまたはPC作成)・制限時間で起案を行うのが良いと思います。
こうしてそれぞれの学習進度に応じて目的を設定し、有意義な自主ゼミを行っていただければと思います。
3.終わりに
私たちの代は、コロナ禍の2020年に入学しました。そのため。最初の1年間は、期末試験のときくらいしか登校することはありませんでした。その結果、2年生になるまで、上級生や同級生との間の繋がりをほとんど作ることができませんでした。こうして孤独に学習をした経験があるからこそ、司法試験はチーム戦だと実感しています。
筑波の学生の多くは、社会人として働いていたり家庭を持ったりしています。そのため、仕事や家庭の事情でどうしても学習時間を確保できないことがあり、モチベーションが低下してしまうこともあると思います。私も何度もモチベーションが低下し、挫けそうになることがありました。しかしその度に、先生や共に自主ゼミを行っていた仲間から励まされて、最後まで諦めずに学習を続けることができました。皆さんもぜひ、上級生や下級生、同級生との繋がりを大切にして、互いに励まし合いながら司法試験合格に向けて突き進んでください。
最後になりましたが、懇切丁寧に指導してくださった先生方、共に学んだ仲間たち、そして応援してくれた家族に心より感謝申し上げます。また、これから司法試験を受験される皆さんのご健闘を心より祈念申し上げます。