2018年4月 筑波大学法科大学院入学(未修)
2021年3月 筑波大学法科大学院修了
2021年9月 司法試験合格
1.入学までの経緯
筑波大学入学当時、私は行政機関において法令関係の業務を担当しておりましたが、経済学部出身であり法律を基礎から学んだことがなかったことから、今後の業務のために法律を基礎から身に着ける必要性を感じていました。筑波大学法科大学院では、法学未修者の指導に力をいれており、昼間に通学することのできない社会人向けの夜間大学院として講義が開講されていたことから、本学の未修コースに入学することを決めました。
2.在学中から本試験の学修・生活
法律の学修を本格的に行ったことがなかったため、1年時から修了するまで、とにかく大学院の授業についていくことを考え勉強に取り組みました。具体的には、各講義で提示されている課題を行うことによる復習を中心に勉強をすすめるほか、講義の予習の実施、ゼミへの参加による起案練習を行っていました。入学時には論文の起案方法が全くわからず、1題の起案を行うのに何日もかかり非常に不安を感じる状態でした。しかし、本学では合格者OB・OGの先生方と大学院との協力のもとで多くのチューターゼミが開催されており、これに参加することや、専任の先生方も熱心にご指導くださったことから、1年修了時には、基本的な問題であれば1日1題程度の起案をすることができるようになっていました。
この間の生活としては、授業開始の18時20分に間に合うように業務を終わらせるため、フレックスタイム制度を利用して始業・終業時間を早くするという対応を行うほか、業務における昼休憩時間については基本的に起案等の時間に費やしていました。また、自宅に戻ると睡魔に勝てないことから、授業終了後は終電まで大学院に残り、予定内容が終わるまでは自宅近くのファミリーレストランで勉強を行っていました。法科大学院の自習室も24時間利用できることから、定期試験前には自習室も活用して勉強を行っていました。
3年時12月には全ての科目の講義・試験が終了し、本試験対策のみを行うこととなりましたが、この間もチューターゼミでの起案練習を中心として勉強を行いました。また、大学院修了後の4月には、チューターゼミの先生方のアドバイスを受けながら短答問題過去問に集中する等、その時の状況を踏まえて試験対策を行いました。4月後半から本試験までの1か月間は職場から了承をいただき休暇を取ることができたため、1日15時間程度は試験対策に費やすことができました。本学在学中の3年間の成績は低空飛行でしたが、最後に勉強だけに時間を費やすことができたこともあり、1回目の受験で何とか合格することができました。
3.本学の受験を考えている方へ
本学の学生は社会人であることが原則ということもあり、様々なバックグラウンドを持ち、それぞれが問題意識をもって学修に臨んでいます。そのような中で勉強すること自体が私にとって非常に良い刺激となり、法律を学ぶという以上のことを学ばせていただいたと思います。また、本学の先生方、OB・OGの先生方は、学生を全力で支援してくださいます。定期試験で結果が残せず、司法試験の受験を諦めようかと思った時期もありました。しかし、このような環境で勉強できたことはとても有意義であり、何より、最終的には楽しいと感じながら3年間の学生生活を送れました。本学でなければ私の司法試験合格は無かったですし、ここで学ぶ機会をいただけたことにとても感謝しています。
仕事をしながら、家庭生活を営みながら勉強をすること、司法試験を目指すことには、犠牲にしなければならないことも多くあります。相応の努力も必要となります。特に法学未修者は、学部で4年間、法科大学院で2年間学んできた人たち、予備試験合格者と戦わなければならず、非常に厳しいものとなります。しかし、そんななかでも挑戦しようとする人にとって、本学は最適な環境であると思います。
簡単に挑戦してみてくださいとは言えませんが、やってみたい気持ちを持ち続けているのであれば、一度、本学の説明会への参加や、科目履修での勉強からはじめてみても良いのではないかと思います。
どのような形であれ、これからの皆様の挑戦が実り多いものとなることを心よりお祈り申し上げます。