2017年4月 筑波大学法科大学院未修コース入学
2021年3月 筑波大学法科大学院未修コース修了
2021年9月 司法試験合格
1.入学のきっかけ
私は、非法学部出身の純粋未修です。IT系企業で管理職として人事労務を担当しておりますが、人事の知識だけでは今後の仕事の幅を広げることができないことを痛感し、また企業内弁護士であった当時の上司の影響もあり、自身の専門性をより高めるために入学を決意しました。
2017年に入学し、長期履修でしたので2021年3月に本学を修了しました。同年5月の司法試験を受験し、合格することができました。
2.在学中の勉強方法
(1)1年次
法学について何も分からない状態で入学をしたため、授業の復習と期末試験対策で精いっぱいの毎日でした。司法試験は遠い遠い夢のように感じていましたが、ゼミに積極的に参加をし、起案をするようにしていました。
(2)2年次
勉強をすればするほど、自分の出来の悪さを痛感し、司法試験合格なんて無理だろうと思う毎日でした。モチベーションも低下しましたが、ゼミの参加を継続し、何とか起案を続けていました。
(3)3年次(長期履修のため2年間)
演習科目の履修が始まり、辛い中でも少しずつ知識の定着など、勉強の成果を感じ始めました。ゼミに更に積極的に参加し、司法試験過去問の起案の機会を多く持つようにしました。
在学中の勉強時間は、平日は数時間、週末は多くても6時間~8時間程度でした。試行錯誤の結果、脳を良い状態に保つため、睡眠を毎日6時間程度は取るようにしましたので、勉強時間は少なめだったと思います。GPAは各年次ともに2.5前後でした。
3.修了後から司法試験までの勉強方法
3月、4月は予定外に家族の事情などで勉強時間が取りづらくなり、平日も週末も1~2時間/日といった程度でした。そのため当初の計画に対して勉強が遅れ、気持ちが焦る毎日でした。5月のゴールデンウイークから本格的な勉強を再開できましたが、直前期ですので短答演習と模試、司法試験の過去問の見直しに注力し、他のものには手を出さないようにしました。
上記の状況ですから、合格は厳しいだろうなと思い、挫けそうな気持でいっぱいでした。ですが、高い受験料を払ったことだし、「短答合格」を目標として論文を採点してもらうことで、次年度に生かそうと考えました。試験場では、直前まで自分の論点まとめノートや、ヤマアテ論点の確認のため予備校の模試の模範答案の見直しをしていました。
4.合格につながったポイント
健康管理、仲間、筋トレ勉強、試験会場に行ったこと、です。
(1)健康管理
司法試験の勉強は、長距離走です。当初から、健康管理や規則正しい生活を心がけ、体調を崩すことがなかったのは大きかったと思います。特にお酒断ちをしていました。
(2)仲間
万人向けの勉強方法はありません。それぞれ、諦めない気持ちを胸に、自分なりの合格への道を見つけなければなりません。3年も4年も独りで戦い続けるのは至難の業です。司法試験は、当日は一人で戦わなければなりませんが、それまでは集団戦です。ローの仲間たちと切磋琢磨しながら、皆で乗り越えていってください。
(3)勉強は筋トレ
直前期に勉強時間が取れなかったものの、入学から4年間積み上げた学習が筋肉のように身に付いていたことが、特に論文式試験の成績につながったと思います。普段の授業と、期末試験を大事にしてください。
(4)試験会場に行く
司法試験は、受験を申し込んでいながら、受験しない人が一定数出ます(しかも、それが割と多い!)。行かなければ合格可能性はゼロです。しんどくても、辛くても、勉強がはかどらなくても、試験会場に行きましょう。自分の知らない論点は、他の人も知らないから全員書けないのです。大丈夫です。
5.合格は先生方、チューターの先生方、先輩や同期、後輩のおかげです
社会人法科大学院ならではですが、様々なバックグラウンドの仲間たちとの出会いがありました。勉強以外でも多彩な交流があり、飲み会も楽しかったです。本学の先生方やチューターの先生方には時に厳しく、時に優しくご指導いただきました。今後は、少しでも皆様にご恩返しができればと考えています。
仕事を続けながら法科大学院に通い、卒業し、そして司法試験に合格する、その経験やそこで得たものはかけがえのない宝物になると思います。
私の経験が少しでも皆様のご参考になれば幸いです。合格を心より祈念しております。頑張ってください。