令和3年9月司法試験合格 Y. S.さん

2016年4月 筑波大学法科大学院既修者コース入学(長期履修)
2019年3月 同修了
2021年9月 司法試験合格

1.大学卒業→法律事務所→起業
 私は、大学卒業後法律事務所で勤務しながら旧司法試験を受験していました。働いている中で商工ローン事件に関わるようになり、経営が行き詰まった会社の後処理をする弁護士よりも、その前段階で経営をサポートする仕事がしたいと考えるようになりました。そこで、司法試験の勉強はやめ、独立して中小企業向けのコンサル会社と行政書士事務所を立ち上げました。
 自社の経営は順調でしたが、顧客企業が成長するにつれ顧客企業が法的紛争を抱えるようになりました。紛争のアドバイスは弁護士の独占業務のため、再度弁護士資格を求め勉強を再開しました。基礎から学び直すため予備試験ではなく法科大学院での学習を選びました。経営しながら通えるのは夜間の法科大学院しかなく合格実績が高い筑波大学大学院に入学しました。

2.在学中の学習
 朝から夕方まで仕事し、1時間半の通学時間で予習し、授業を受け、1時間半の帰路で仕事の処理をし、帰宅後に復習して寝る、そんな日々でした。予習に時間がかかり睡眠時間が2時間程度になることもありました。経営者には定休がないので土日で勉強の遅れを取戻すといった方法が取れません。無理なペースで学習して消化不良を起こさないよう入学時から長期履修制度を利用しました。
 勉強は授業中心でした。先生方は基礎から丁寧に指導して下さったので、基礎の理解が深まりました。これから筑波に入学される方には、ローの授業を中心に勉強されることを強くお勧めします。予備校中心にしてローの授業を疎かにすると授業時間が無駄になるからです。
 択一は入学時から取りかかりました。やればやるほど点が上がるからです。合格という目標から勉強がブレないように入学した半年後には論文過去問にも取り組みました。チューターゼミで論文添削を受け、3年次には合格者の個別ゼミにも参加し限られた時間でより高い点数を取るための技術を向上させました。仕事をしながら授業以外の時間を捻出するのは大変でしたが、合格を目指して入学したので踏ん張りました。

3.修了後
 1回目の受験ではあと40人ほどのところで不合格となってしまいました。基礎の暗記が足りないと思い、定義や規範を素早く書けるレベルまで暗記しました。2回目の受験では択一で上位10%に入れましたが論文で点を落としてしまい、あと30人ほどのところで不合格となりました。2回目は結果通知を受け取ってもしばらくの間信じられませんでした。
 筑波の先生や合格者に再現答案を見て頂き、自分の答案が事実を使えていないことに気付きました。知識では負けていないからあとは書き方だと思いました。筑波のエクステンションプログラムなどを利用して答案を書く機会を増やし、答案スタイルを身体に染みこませました。仕事以外の時間は勉強に費やし、二度とやりたくないと思うほど勉強しました。そして、3回目で合格することができました。

4.最後に
 筑波大学、先生方、アドバイスを下さった合格者の方々に本当に感謝しています。
 筑波は社会人が合格するためのノウハウを蓄積しています。お読み頂いた方が筑波での学習を経て次の合格者となられることを心よりお祈りしております。