令和3年9月司法試験合格 小林洋平さん

2006年3月 慶応義塾大学法学部法律学科卒業
2018年4月 筑波大学法科大学院既修コース入学(長期履修)
2021年3月 筑波大学法科大学院既修コース修了
2021年9月 司法試験合格

1.入学までの経緯
 大学在学中は法曹を目指すつもりは全く無く、大学卒業後、金融機関に入社しました。法人営業、経営企画等の業務を経て、現在は欧米のエクイティ投資業務に従事しています。30代になり、キャリアの可能性を拡げるために、現業以外の場で能力向上を図ろうと考え、法律の勉強を始めました。当初4年間程度は、趣味の範疇で、予備校のインターネット授業を受講したり、独学する等していました。そのうちに、だんだんと学習意欲が高まり、本格的に勉強したいと考え、また、妻の後押しとアドバイスもあって、筑波大学法科大学院に入学しました。仕事や子育てを考えると、平日夜間は週2日程度の通学が上限であったため、長期履修を選択しました。

2.在学中
 授業は大変面白く、法科大学院での勉強は常に楽しく感じました。先生方がそれだけ中身の濃い、興味深い授業をして下さったということだと思います。入学前に受講した予備校の授業と比較すると、インタラクティブなやり取りがあること、知的好奇心をくすぐられること、解説に奥行きがあること、等の点で大きな差異がありました。期末試験の前日の夜中は常に追い詰められていましたが、それでも辛いと思ったことはありませんでした。
残念だったのは、仕事の都合で、学校側が提供してくださった、授業以外の学習機会や、同期の皆さんと一緒に勉強したり交流したりする機会をフルに活用出来なかったことです。特に2年目以降は、仕事が忙しくなり、単位を落とさないことに手一杯にならざるを得ませんでした。

3.司法試験対策
 単位も取得し終わり、仕事が少し落ち着いた3年目の1月以降に試験対策を始めました。効率性を重視して予備校本や演習本と、過去問とを比較して、暗記すべきポイントを抽出し、Wordファイルにまとめ、そのうえで法科大学院の授業内容で補強していくアプローチで進めました。予備校本や演習本では、民事訴訟法は論理の流れ、刑事訴訟法はあてはめの考え方、会社法は細かな論点の地に足の着いた説明が、夫々不足しており、授業資料が特に役立ったと感じました。短答式試験に落ちることだけは避けたかったため、相対的に時間を多く割き、全年度の過去問が一冊にまとまった問題集を3回転し、試験前日に一夜漬けでフォロー出来る/すべきポイントを特定しました。論文を書く練習の時間は殆ど取れませんでしたが、予備校本を活用して、優秀答案を出来るだけ多く速く読む努力をしました。また、ゼミに参加し、とても親身かつ丁寧なご指導を頂いたことで、論文作成のお作法や思考プロセスを、短時間である程度の水準まで習得出来ました。

4.入学を検討されている方へ
 仕事と学業の両立は、時間的な制約はあるものの、一方で、相乗効果もあったと思います。例えば、会社法の知識は、エクイティ投資の株主間調整等に大変役立ちました。そして、仕事を通じて培った事務処理能力によって、論文作成の習熟プロセスを大幅にショートカット出来たように思います。何より、文字だけで構成される「法」を理解するには、社会人経験が豊富である方が、その理解に深みが出るとも思います。このため、社会人学生が、時間的制約の無い若い学生の方たちと比較して、一概に不利であるとは決して思いません。むしろ、私自身は社会人経験無しに司法試験に挑戦しようと思わなくて良かったとすら思っています。筑波大学法科大学院は、司法試験合格を狙う上で、社会人としてのアドバンテージを最大限活用出来る理想的な環境であると感じます。是非、ご入学されることを選択され、司法試験合格を勝ち取って頂ければと思います。