2017年4月 筑波大学法科大学院既修者コース入学
2019年3月 同修了
2019年9月 司法試験合格
1.入学前
私は、大学卒業後に民間企業に就職し、結婚もしています。夫婦で勤務地が遠隔となった際に単身赴任(私が)も試みましたが、結局退社し同居することになりました。正社員の仕事でなくなったこともあり、働きながらでも通学できる筑波大学法科大学院既修コースへの入学を考えました。
2.在学中
(1)普段の勉強
1年目は、授業が質疑応答や判例報告中心の形式であったため、予習中心の勉強を行いました。調べものだけだと単調で充実感がないので、該当範囲の短答過去問も解きながら進めると良いと思います。
2年目になると、演習や起案が多くなるため、実力で挑戦して間違えたところを復習するという勉強に切り替えました。この時に気になるところや間違えたところなどを小さい紙(A5)にメモして貯めていき後で論証集のように使いました。ノート作りではなくメモ作成にとどめたのは、きれいにノートを作り出すと作成自体が目的になりかねないと思ったからです。その他の基本的な論証は、市販のテキストに書き込むなどして効率的に準備すれば十分でした。
(2)ゼミ
幸運なことに勉強仲間とともに、先生方、先輩のご指導を頂く機会に恵まれたことから、過去問を起案して先生に見ていただいたり、合格者の先輩に答案添削をしていただくなどゼミには積極的に取り組みました。
また、本来3年次対象のものでも先生にお願いして1年目からチューターゼミにも参加させていただきました。
友人と答案を交換して検討することも、自分1人では考えられなかった着眼点や表現方法に気付かされるなど非常にためになりお勧めです。
(3)予備試験
予備試験は在学中に絶対受けるべきだと思います。試験日に合わせて無理にでも全体を仕上げたり、試験本番の雰囲気を体感することは司法試験の事前練習になるからです。また、成績や順位により自分の全体での位置を知ることができます。
私は、在学中2回予備で論文試験を受けていたため、緊張はしたものの、司法試験でもあまり違和感なく本番に臨むことができました。
3.試験まで
12月にほぼ授業と期末試験が終了するといよいよ試験勉強が本格化します。この時期は、ゼミなど大学に来る機会をなるべく作るようにしました。そうでないと、入学前の社会人生活に戻って勉強のペースが乱れてしまうと考えたからです。
2月からは、休日に数人で教室を借りて2時間で答案を書くという勉強会を始め、これは5月の10連休を含め試験直前まで行いました。朝に集まって強制的に答案を書くことで勢いがつき、1日中安定して勉強することができます。また、昼食時に雑談できるなど孤独にならないので、直前期の不安もそれほど感じずに済みました。
4.これから受験する皆様へ
社会人受験生は、大学卒業後のブランクに加え、仕事や家庭を持ちながら勉強しなくてはならず、他の受験生に比較して圧倒的に受験で不利といえます。
しかし、人生経験を積み社会に貢献してきた大人が法曹資格を得ることは、世の中にとって利益が大きく大変有意義なことであるはずです。
時間の制約や環境の悪さなど障害はありますが、決してあきらめず淡々と効率的に勉強して合格を目指して下さい。
そして、せっかく縁あって筑波に入学されたのですから、ぜひ、仲間を作り、先生方先輩方のご厚意に甘えて指導して頂くと良いと思います。
皆様の合格を心からお祈りいたします。