K.Wさん

  • 2002年早稲田大学理工学部大学院卒
  • 弁理士
  • 2010年(6期)入学
  • 2014年(7期)卒業
  • 2016年司法試験合格

1 略歴

私は、2010年に入学し、2年次の途中から1年間休学して、2014年に卒業しました。司法試験は、2014年、2015年、2016年の3回受験し、3回目の2016年に合格できました。なお、私は、理系(土木工学科)出身で、筑波大学法科大学院には未修者(3年コース)として入学しました。

2 社会人兼学生生活について

私は、筑波大学法科大学院が社会人向けの夜間大学院であることの特徴を活かし、平日昼間は都内の特許事務所で弁理士として勤務しながら、平日夜間及び休日は筑波大学法科大学院で受講又は自習等しておりました。特許事務所での業務は、個人プレーの色合いが濃く、所定の業務量をこなしさえすれば、必要以上に時間が拘束されることも少ないため、職務中は業務に専念して残業及び休日出勤を回避し、受講及び自習等に支障を来さないよう努める日々でした。

3 司法試験の受験について

私は、普段の業務及び弁理士試験の経験から、文章を書くこと自体には抵抗がありませんでしたが、あくまでも土木工学科の出身者であり、法律学の知識は皆無に等しいところから出発したため、とにかく法科大学院での授業を大切にすることを心がけました。確かに、現在では予備試験ルートで司法試験を受験することも可能ですが、法学部の出身者等で法律学の予備知識が十分にある方か、自分の能力に余程の自信がある方でない限り、法科大学院卒業ルートではなく予備試験ルートのみで司法試験の合格を目指すのはお勧めできません。

4 受験勉強について

社会人兼学生生活を送りながら司法試験を受験する者にとっては、学生生活に専念できる方と比較して、受験勉強に費やすことのできる時間の絶対数が不足することは否めません。しかし、社会人としての業務が意外と気分転換になることや、ある程度のお給料を家庭に納めてさえいれば(?)日常生活で家族の協力が得られることなどを踏まえると、社会人兼学生生活を送りながら受験をすることも悪くありません。そのうえで、法科大学院の自習室等で自分の勉強時間を確保しながら、合格者による指導がなされるチューターゼミ等を大いに利用して、司法試験に合格するためのイメージを作りながら受験勉強することが重要かと思われます。

5 筑波大学法科大学院について

基本的には、筑波大学法科大学院の先生方を信頼して受講しながら、不足する部分を自習及びチューターゼミ等で補うことで、司法試験に十分に合格できるものと思われます。ただし、授業等で事案を解決する際には、下手でもいいので自分なりに三段論法を立ててみるという訓練をすることが、早い段階で合格するために有意義なように思われます。また、人それぞれかも知れませんが、勉強時間の絶対数が不足する社会人兼受験生にとっては、憲法、民法は授業の内容を中心として、刑法、会社法、行政法、民事訴訟法、刑事訴訟法あたりは早い段階の自習等で逐次得意科目とするのがよいのではないかと思われます。

6 最後に

これから司法試験を受験する方は、少なくとも合格するまではたゆまぬ努力が必要となるかも知れません。私は、幸い(?)楽観的で根を詰めるタイプではありませんでしたが、それでもツライことはありました。しかし、司法試験を受験すること自体は自分でした選択ですし、社会の事象が少しだけ見えるようにもなった気がしますので、筑波大学法科大学院に入学、卒業して司法試験を受験したことは、私にとって非常に有意義であったものと自負しております。みなさまも、ご自分にとって有意義であったと思えるよう、学生生活及び受験生活に前向きに取り組まれることを祈念しております。

以上