令和7年11月司法試験合格 K.T.さん

2023年4月 筑波大学法科大学院既修者コース入学
2025年3月 筑波大学法科大学院既修者コース修了
2025年11月 司法試験合格

1 法科大学院入学の経緯

私は、学生時代から20代半ばにかけて旧司法試験の勉強をしていましたが、合格することができずに撤退し、その後は民間企業に就職して司法試験とは無縁の生活を送っていました。2020年8月、コロナ禍で時間ができたことをきっかけに、予備試験経由での司法試験合格を目標として、再び勉強を開始しました。
2022年の予備試験短答式試験の会場で配布されていた資料を通じて、夜間法科大学院の存在を知りました。社会人でも通学可能であることや、在学中受験制度を利用できることに強い魅力を感じ、予備試験一本に固執するのではなく、法科大学院へ進学することで司法試験合格までの現実的な道筋を確保したいと考えるようになりました。
その結果、既修者コースに合格し、2023年4月に入学しました。仕事を辞めることなく、家庭生活を維持しながら司法試験を目指せる環境を得られたことは、非常にありがたいことだったと感じています。

2 学生生活

入学後は、平日は仕事を終えた後に授業を受講し、土曜日は授業と自習、日曜日は家族の予定を優先しつつ、空き時間を活用して学習するという生活を送っていました。
授業は対面とオンラインのハイブリッド形式で受講することができたため、社会人でも無理なく学業を継続することができました。既修者コースということもあり、授業の進度は速く、課題の量も多かったため、すべてを完璧にこなすことは現実的ではないと判断し、自分の理解が不十分な分野を中心に取り組むなど、優先順位をつけて対応しました。また、一緒に学ぶ仲間と情報交換をすることで、自分一人では気づけない視点や学習方法を知ることができました。自主ゼミや答案の読み合わせは、学習面のみならず、精神的な支えにもなっていたと感じています。

3 受験勉強の進め方(在学中受験と2回目受験を通じて)

法科大学院入学後は、在学中受験を目標に、授業と並行して司法試験対策を進めていました。しかし、2024年の在学中受験では不合格となり、この結果をきっかけに学習方法を見直しました。在学中受験までの私は、「本番でどの程度の答案を書けるのか」という視点が欠けており、過去問を解いて模範解答を読み、「理解したつもり」になって次に進むという学習をしていました。2回目の受験に向けては、「新しいことを増やさない」「これまで学習してきた内容を確実に自分のものにする」という方針で取り組みました。具体的には、各科目で中核となる過去問を起案し、その後、自分なりの「現実的完全解」を作成して、試験直前まで繰り返し見直しました。過去問の検討にあたっては、自主ゼミやチューターゼミを積極的に活用しました。

4 法科大学院で学んで良かったこと

最も良かったと感じているのは、「司法試験で求められている水準」を具体的に体感できたことです。独学で学習していた頃は、自分の理解や答案がどの位置にあるのかを正確に把握することができませんでした。法科大学院では、授業や期末試験、自主ゼミなどを通じて、周囲の学生の答案や考え方に触れる機会が多く、自分の立ち位置を客観的に知ることができました。また、教員やチューターからのフィードバックを通じて、「ここまでは書けていて当然」「ここから先は加点要素である」といった評価基準の感覚を掴めたことも、大きな収穫でした。

5 最後に

これから筑波大学法科大学院への進学を検討されている方にお伝えしたいことがあります。司法試験の合格は、単なる勉強時間や才能だけで決まるものではなく、学習方法が結果に大きく影響すると感じています。予備試験などで思うような結果が出なかったとしても、その経験を適切に振り返り、学習方法を見直すことができれば、次の受験で結果を変えることは十分に可能です。社会人であることや年齢を理由に、不利だと考える必要はありません。可処分時間が限られているからこそ、無理に量を追わず、本番で再現できない勉強をやめるなど、効率を重視した学習に取り組みやすい環境でもあります。法科大学院は決して楽な環境ではありませんが、正しく活用すれば、司法試験合格に向けた非常に強固な土台となります。

このメッセージが、これから筑波大学法科大学院を目指す方の参考になれば幸いです。