2020年 4⽉ 筑波⼤学法科⼤学院未修者コース⼊学
2023年 3⽉ 筑波⼤学法科⼤学院未修者コース修了
2024年11⽉ 司法試験合格
1.法科大学院入学までの経緯
私は地方大学の法学部を卒業したものの、司法試験はとんでもない難関試験というイメージが強く、弁護士などの法曹に憧れはありつつも学部生の間は具体的には受験を検討することはありませんでした。大学卒業後は民間企業で営業をしていたのですが、たまたま営業先で知人と出会い(自動車免許合宿で一緒のホテルだったという関係)、彼が会社員を辞めてロースクールに入学する予定だという近況報告をしてくれました。その時に社会に出たあとも司法試験を目指すことが出来ることに気づき、また会社で上手くいっていなかったことも相まって真剣にロースクール進学を検討しました。そんな中で筑波大学法科大学院が社会人が通学できるロースクールということを知り、筑波のみ出願し未修合格したため入学した経緯になります。
2.学生生活
入学時はちょうどコロナが流行したタイミングと重なり、想定していた学生生活と大きく異なる展開になりました。退社後に通学して授業を受けるという流れではなく、仕事もリモートになり授業もオンラインになるという生活になりました。未修者は論文の書き方や訓練方法が分からず苦戦するケースが多いと思いますが、私もどういう勉強法を取れば良いのか分からず、さらに学校に行く機会も無く同級生や先輩の学習状況(勉強法や勉強時間、教材等)が一切入ってこない状態が続きました。特に未修1年、2年次は進級要件を満たすかどうかが成績開示の最後の科目の結果次第というギリギリの状況で、仕事と勉強の両立という体力的なしんどさよりも精神的なしんどさが大きいという生活でした(成績不良者面談があるなど、成績を直視せざるを得ない機会もありました)。
しかし、3年次になり演習科目が始まり、コロナも落ち着き登校も可能になると徐々に交友も広がり、個での勉強というよりも仲間と一緒に合格したいという気持ちが出てきました。さらに授業の前後は学校でなるべく予習復習をするスタイルになり、勉強時間も飛躍的に増加しました。そのため3年次は勉強中心の生活にシフトしていきましたが1,2年次よりも前向きなメンタルでロースクール生活を終えることが出来ました。
3.修了後の生活
ロースクールを修了した後も法曹学修生として自習室を利用できたため、1日2時間などの短い時間でも登校して勉強をしていました。筑波の自習室は非常に環境が良いため勉強効率が良く、ほとんどの勉強を自習室で完結させていました。その反面で異なる環境(新幹線や日々の通勤通学時間など)で集中が出来ず、活用できなかったという反省もあります。
勉強は起案を中心に、本試験過去問をひたすら解くスタイルでした。卒業後に初めて予備校を利用したのですが(模試や答練)、この期間は過去問学習が進まず、さらに過去問が難しく消化するスピードが遅く、中途半端な状態で本試験に突入してしまいました。1度目の司法試験は不合格となりましたが、しっかり過去問をこなせば次は突破できるという自信が出た結果でした。
2回目の司法試験に向けての過去問学習は1度本試験でのピークを経ているため、スピード感をもって回すことができました。また不合格の結果から不安定科目に絞ったゼミも実施頂き、しっかりと準備をして本番を迎えられました。
4.最後に
社会人生活と並行して受験生をするというのは、体力や気力も削られる極めて過酷な生活だと思います。ただ、私の場合は仕事を完全にやめて勉強をするという選択肢は無かったし、予備試験に挑戦するとしても論文の書き方が分からないといった初期段階で挫折していたように思います。そうすると、私は司法制度改革のおかげで司法試験にチャレンジできたと思っており、良いタイミングでの受験が出来ました。現在は在学中受験が始まったりPC受験が始まるなど、いろいろな変化があります。もしもそうした変化が自分にとって多少なりともチャンスだと思う方がいましたら、運が向いているのだと思いますので是非チャンスを掴んでいただきたいです。