専攻長の挨拶

ビジネス科学研究科      
法曹専攻長  新井 誠


新井 誠
筑波大学法科大学院は社会人に対象を絞り、夜間開講にしています。
その理由は「多様な人材に門戸を開く」という司法改革の理念にのっとったからです。多様な社会人経験を持った法曹へのニーズは非常に高く、これを受け入れていかなければならないだろうと考えました。
 そのため、まず、既修・未修の区別なく、一律3年制としました。それでも通えない人のために4年間の長期履修制度も設けています。そして、社会人が学びやすい環境を徹底的に整えました。
 キャンパスは、秋葉原駅前の秋葉原ダイビルに設置し、通学の便をよくしました。さらに、手厚いチューター制度、専任教員による補講・補習も充実させていますし、一人一人に対してしっかりとしたフォローができるよう、定員40人の少人数制にしています。また、いつでも自習できるよう、図書館は24時間利用可能にしています。
 次にITを使った学習支援システムも整えています。社会人は時間的制約がありますが、社会人がITを活用することで効率よく予習・復習ができます。リーガルクリニックは2・3年目からですが、本大学院ではキャンパス内に弁護士事務所を設けています。このメリットも大きいと思います。
 このように、社会人の通学に最大限配慮していることもありますが、初年度の学生を見ていて、不安に感じるところはありません。何より、彼らのモチベーションが非常に高いのです。火曜日〜金曜日の18時20分から授業がスタートし(終了は21時)、土曜日は10時20分から17時50分まで授業が行われていますが、欠席や遅刻はほとんどありません。
 初年度の学生は、すべて社会人ですが、実に多種多様な分野から集まっています。その点はこちらの想像以上でした。製薬、不動産、証券、マスコミといった企業から公務員、NGOの職員までいます。職種も法務部が多いですが、営業の方もいますし、理系の方もいます。平均年齢は35歳です。
 社会人としてのこれまでの経験を活かし、先端的な法分野に精通した法曹であるだけではなく、市民の人権をしっかりと擁護できる法曹養成を目指しています。
 意欲のある社会人を心から歓迎します。